タンデムキャリー/2人同時の抱っこやおんぶ vol.1 解説編

タンデムキャリー/2人同時の抱っこやおんぶ vol.1 解説編

2025年4月22日

双子・年子育児に役立つ!
タンデムキャリーの世界
〜vol.1 解説編〜

1. タンデムキャリーが必要なワケ

「誰か、もう一人!手を貸して欲しい!」

双子や、三つ子、また年の近い我が子を育てていると、そう思う瞬間が何度もあるのではないでしょうか。かくいう私自身も、年子の娘二人を育てる中で度々そう感じました。

そんな時、少しでも育児の負担を減らし、自分自身と子供たちの笑顔を守るための助けとなるのが、“タンデムキャリー”です。

タンデム(tandem)とは、「縦に並んだ」「二人乗りの」という意味を持つ言葉。その名の通り、二人の赤ちゃんを同時に抱っこやおんぶする方法です。

もちろん、周りに助けを求め、協力を得られることが理想です。家族や友人、地域のサポートがあれば、一人で抱え込むことなく、心にゆとりを持って育児に取り組めます。

しかし現実には…

常に誰かの助けを得られるとは限りません。核家族化が進み、頼れる人が近くにいない状況や、パートナーも仕事で忙しいというご家庭も多いのははいでしょうか。

決して、タンデムキャリーがすべての問題を解決してくれる、魔法ではありません。でも、ほんの少しでも両手が空く時間が増えれば、ほんの少しでも二人の子供たちを同時に安心させることができれば…。日々の育児が少しだけ楽になることがあるのではないでしょうか。

このページでは、双子や年子育児に追われ、タンデムキャリーを必要としている方に向けて、私自身の経験だけではなく、抱っこと抱っこ紐の専門家(ベビーウェアリングコンサルタント)として学んできた知識をもとに、2人を同時に抱っこやおんぶする注意点や、抱っこ紐の組み合わせの実例、メリット・デメリットなどをお伝えしていきます。

そして、もしあなたが「「タンデムキャリー」に興味はあるけれど、不安がある」「自分に合った方法を見つけたい」と感じたら、どうか一人で悩まずに、私たちベビーウェアリングコンサルタントにご相談ください。

大阪のてっぺん、能勢町にある古民家サロン、抱っことおんぶとその道具-ベビーウェアリング大阪-では、それぞれのご家族の状況やお子さまに合わせた、無理のないタンデムキャリーを、落ち着いた空間でじっくりと、親子に寄り添ってお手伝い致します。ご相談はオンラインや出張講習なども対応しています。

抱っことおんぶに関するお悩みや疑問に、マンツーマンでお応えします。タンデムキャリーも対応しています。 お手持ちの抱っこ紐の調整や使い方の講習、初めての抱っこ紐購入、抱っこ紐の買い替えのご相談も可能です。
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また、いざという時のタンデムキャリーだけでなく、日常は夫婦それぞれにとって快適な抱っこ紐を探すこともおすすめです。やはり一番は皆で協力しながら育児することが大切だと考えているからです。


2. タンデムキャリーの基本 -安全第一-

タンデムキャリーの基本的な考え方

タンデムキャリーの基本は、それぞれの赤ちゃんや幼児に合った抱っこ紐を選び、安全かつ快適に装着することです。一人抱っこと同様に、赤ちゃんの成長や発達段階、そして抱っこする側の体格や体力に合わせて、適切な抱っこ紐と装着方法を選ぶことが非常に重要になります。

もちろん、理想は周りの人に頼りながら、無理なく育児を進めること。

でも、常にサポートが得られるとは限りません。そんな時、タンデムキャリーは、一時的にでも両手を空け、目の前の子供たちに寄り添える、一つのサポートだと考えています。

安全にタンデムキャリーを行うための注意点

二人を同時に抱っこするとなると、どうしても重心が不安定になりがちです。安全にタンデムキャリーを行うためには、いくつかの重要な注意点があります。

  •  安定した装着 
    • それぞれの抱っこ紐が、赤ちゃんの体をしっかりと支え、ずれにくいように正しく装着することが最要です。特に、バックルや紐の締め具合は、丁寧に調整しましょう。
  •  バランスを意識 
    • 二人の赤ちゃんの体重の負荷を均等になるように、抱っこの位置や抱っこ紐の種類を工夫しましょう。前後で抱っこする場合は、前後のバランス、左右で抱っこする場合は左右のバランスを意識することが大切です。
  •  視界の確保   
    • 自分の足元や周囲の状況がしっかりと見えるように、赤ちゃんの位置を調整しましょう。また自分の身体+2人分となるため、サイズ感がいつもと違い、必要なスペースが変わってきます。特に、階段の昇り降りや狭い場所を通る際は、注意が必要です。
  •  体調の変化に注意 
    • 二人分の体重を支えるため、普段よりも体に負担がかかります。体調が優れない時や、疲れが溜まっている時など、無理は禁物です。
  •  練習から始める 
    •  最初から長時間タンデムキャリーをするのではなく、短い時間から始め、徐々に慣れていくことが大切です。可能であれば、誰かにサポートしてもらいながら練習すると安心です。

体格や赤ちゃんの成長に合わせた抱っこの重要性

一人ひとり体格が違うように、赤ちゃんや幼児の成長もそれぞれ異なります。タンデムキャリーをする際は、それぞれの子供の月齢や体重、発達段階に合った抱っこ紐を選ぶことが大切です。

例えば、新生児にはしっかりと確実に首元から背中を満遍なく支えられる抱っこ紐は必須ですし、腰が座ってくる頃には、体重も増えてきているのでおんぶ紐などを活用するなど、成長に合わせて抱っこ紐を使い分けることで、より快適で安全なタンデムキャリーが可能になります。

また日々のライフスタイルによっても、向き不向きが出てきます。「これが正解!」という一つの方法があるわけではなく、その時々の状況に合わせて柔軟に対応することが大切とになっってきます。ですので、可能であれば、専門家のアドバイスを受けながら、一緒にあなたにとっての最適な方法を見つけるのが一番安心です。

抱っことおんぶに関するお悩みや疑問に、マンツーマンでお応えします。タンデムキャリーも対応しています。 お手持ちの抱っこ紐の調整や使い方の講習、初めての抱っこ紐購入、抱っこ紐の買い替えのご相談も可能です。
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次は、具体的な抱っこ紐の組み合わせ例と、それぞれの実例についてご紹介していきます。あくまで一例として参考にしていただければと思います。

3. 抱っこ紐の組み合わせ例と実例

タンデムキャリーに挑戦する上で、多くの方が悩むのが「どんな抱っこ紐を組み合わせたらいいのか?」ということだと思います。ここでは、いくつかの代表的な組み合わせと、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。ご自身の状況や、お子さんの成長に合わせて、柔軟に取り入れてもらえたらと思います。

組み合わせの考え方:左右か?前後か?

すでにお伝えしましたが、タンデムキャリーの方法は2つあります。左右で二人同時に抱っこする方法と、前後で抱っことおんぶをする方法です。

2人とも前に抱っこ
  • 低月齢に向いている
  • 首がすわり前は、おんぶは難しいことと、2人の様子がよくわかるため、二人とも前で抱っこできると安心感が高い。
  • 体重差が大きいとバランスを取ることが難しいので、年子よりは、双子のように体重差があまりない場合に適している。
  • 成長すると前に重心が集中するので、大人の身体への負担が、かなり大きくなります。
1人を抱っこ、1人をおんぶ
  • ある程度大きくなっても出来る
  • 前後のためバランスがとりやすく、二人の体重差があっても可能なので、年子育児に役立つ。
  • 比較的動きやすい
  • 大きい子がおんぶ、小さい子が抱っこの方がバランスが良い
  • 抱っこ紐の種類によって、おんぶができる時期が違うので注意が必要。

これらの基本的な考え方を踏まえ、抱っこ紐の種類や子供の成長に合わせて、様々な組み合わせをご紹介していきます。色々試して、自分に合う方法を見つけてもらえたらと思います。

抱っこ紐の種類別と組み合わせパターン

双子専用の抱っこ紐でタンデムキャリー
  • 特徴
    • 1つの抱っこ紐で2人を同時に抱っこできる。抱っことおんぶに分けられるタイプもある。身体のバランスを取りやすい左右対称のデザインが多い。専用で作られているので、安全面の確保がしやすく出来ている。
  • 装着
    • 前に二人抱っこする場合は、一人用より手間がかかる場合があるため、慣れや練習が必要。抱っことおんぶで使う場合は比較的簡単に装着できる。

抱っことおんぶとその道具-ベビーウェアリング大阪-では、双子専用の抱っこ紐もご試着可能です。

ベビーウェアリング大阪では、50種類以上の抱っこひものこ試着が可能です。親子それぞれに合う抱っこひもは異なるので、特定のメーカーのみをおすすめすることはありませ…
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様々な組み合わせで出来るタンデムキャリー

一つの抱っこ紐で出来る タンデムキャリー

双子専用の抱っこ紐でなくても、一つでタンデムキャリーできる抱っこ紐もあります。

二つの抱っこ紐でタンデムキャリーをするポイント

2つの抱っこ紐を使うことで、普段は夫婦でそれぞれ使っている抱っこ紐を活用できるケースがあります。


2つの抱っこ紐でタンデムキャリーをする時の、抱っこ紐を選ぶポイントは次の3つ!

  1. 1つはショルダーベルトにクッション性が無いもの
    • 多くの場合、肩に二つの抱っこ紐が重なることになります。そのため、2つ抱っこ紐のうち、一つは肩にクッションが無い方が、重ねやすいです。
  2. 抱っこする抱っこ紐は、プリタイドタイプ
    • プリタイドタイプとは、最初に大人の身体に装着して、さほど調整せずに抱っこができる抱っこ紐です。成型型のクロスタイプや、リングスリング、ベビーラップのようなタイプです。
  3. 抱っこする抱っこ紐は、背中がすっきりしたタイプ
    • 背中にもう1人おんぶをするので、出来るだけ背中はすっきりしている方が、おんぶされるお子様にとって心地良いためです。

タンデムキャリーの具体的な組み合わせなどに興味がある方は、ぜひコチラをご覧ください!

完全ガイド タンデムキャリーの世界vol.2 実践編
実践編では、さまざまな抱っこ紐の組み合わせで叶うタンデムキャリーの具体例をご紹介しています。
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次のセクションからは、タンデムキャリーのメリットとデメリットについて、詳しくお伝えしていきます。

どんなシーンでタンデムキャリーが有効なのかイメージができたらと思います。もちろん、これも、あくまで「必要な時の助け」として捉えていただければと思います

年子育児でタンデムキャリーを実践してきた私にとって、それは「子供が病気になった時のワンオペ育児」の、本当に心強い味方でした。もちろん、周りのサポートがあれば、それに越したことはありません。でも、そうでない状況で、どのようなことが出来るようになるのか、そんなメリットをいくつかご紹介します。

4.タンデムキャリーのメリット

両手を使える

これがタンデムキャリーの、緊急時における最大のメリットと言えるかもしれません。二人分の赤ちゃんや幼児を同時に抱っこやおんぶすることで、一時的に両手が空き、家事や上の子のケア、ちょっとした作業などが、ほんの少しだけ楽になります。

例えば、上の子の急な着替えを手伝いながら下の子をあやしたり、こぼしてしまったものを拭きながら、もう一人に絵本を読んであげたり。誰にも頼れない状況で、「せめて少しの間でも両手が自由になれば…」という願いを叶えてくれるのが、タンデムキャリーです。

私自身、上の子が病気になって辛そうな時に、下の子もいつもと違う状況を察して、機嫌が悪くなることがよくありました。

そんな状況下でワンオペで家事をこなさなければいけない時、タンデムキャリーが出来たことで救われました。

防災の観点で言うと、いざという時「一人でも何とか移動できる」という自信にもつながりました。

赤ちゃんが安心する

二人同時に抱っこやおんぶをすることで、赤ちゃんたちが安心しやすくなることがあります。前項でも触れましたが、病気の時などは特に分かりやすです。長時間でなくても、二人を一緒に抱きかかえてあげることで、子供自身が満たされ落ち着いていくの見て取れました。これは、周りの人にすぐに頼れず、自分自身が鬱々とした状況の時には、とても助かる瞬間でした。

もちろん、できることなら一人ずつ、じっくりと向き合って抱っこしてあげるのが理想です。でも、どうしても手が回らない時、タンデムキャリーは、二人に同時に安心感を届ける、一つの手段となり得ます。

上の子のケアもできる

下の子を抱っこしながら、上の子のケアができるのも、一人で二人を見なければならない時には大きなメリットです。例えば、公園で遊んでいる時、下の子を抱っこしながら、上の子の遊びを見守ったり、短い時間なら一緒に遊んだりすることもできます。

また、上の子がぐずったり、甘えたい気持ちを表したりした時も、すぐに抱きしめてあげることができます。「ちょっと待っててね」と我慢させる回数が少しでも減ることで、上の子の気持ちに寄り添うことができるかもしれません。

外出が楽になる

ベビーカーがなくても、二人同時に抱っこやおんぶができるので、階段が多い場所や、少しだけ人混みを通りたい時など、一時的に動きやすいことがあります。

ちょっとした買い物で、ベビーカーを出すのが大変な時、短時間であればタンデムキャリーで済ませることもありました。でも、どうぞ無理のない範囲で、できるだけ周りの人に協力を仰いでくださいね。


これらのメリットは、あくまで私が年子育児で、どうしても一人で頑張らなければならない時に感じたものです。繰り返しになりますが、一番大切なのは、周りの協力を得ながら、無理なく育児を進めることです。タンデムキャリーは、あくまで一つの選択肢として捉えていただければと思います。

そして正直なところ、実生活で外出時に一番活躍したのは、1人は抱っこかおんぶで、もう1人はベビーカーです!これも大切な一つの考え方ですので、ご紹介しておきます。

次のセクションでは、タンデムキャリーのデメリットと注意点についてお伝えしていきます。大切なことですのでタンデムキャリーに挑戦する前に、読んでもらえることを願っています。

5. タンデムキャリーのデメリットと注意点

タンデムキャリーは、どうしても必要な時の救いになる一方で、いくつかのデメリットや、安全に行う上で特に注意すべき点があります。これらをしっかりと理解し、無理のない範囲で、慎重に検討することが大切です。

慣れるまで時間がかかる

一人抱っこに慣れている方でも、二人同時に抱っこやおんぶをするには、バランス感覚や装着のコツを掴むまで、慎重に時間をかける必要があります。特に、複数の抱っこ紐を同時に装着する場合は、それぞれの紐の締め具合や位置などを丁寧に調整する必要があり、最初は難しく感じるかもしれません。

最初の頃は、必ず誰かに見てもらいながら、鏡の前で何度も練習しましょう。自己流で始めると、思わぬ事故につながる可能性もありますので、不安な場合は、専門家の指導を受けることを強くお勧めします。

体力が必要

二人分の体重を支えるため、どうしても一人抱っこよりも体に負担がかかります。特に、長時間タンデムキャリーをする場合は、肩や腰への負担が大きくなることがあります。体調が優れない時や、少しでも疲れていると感じた時は、絶対に無理をしないでください。

どうぞ、体調と相談しながら、最初は、短時間からタンデムキャリーを始めてください。また、できるだけ頻繁に休憩を取り、身体の状態に耳を傾けてください。もし、パートナーや家族に手伝ってもらえるなら、積極的に頼るべきです。

サイズ感が変わる

二人分の赤ちゃんや幼児を抱っこやおんぶしている状態は、自分の身体のサイズ感が大きく変わります。単身に比べ、かなり幅や奥行きが出るため、狭い場所では動きにくくなることがあります。特に、混雑した場所や狭い通路を通る際は、周囲の人に十分配慮し、いつも以上に慎重に行動する必要があります。危険を感じる場合は、無理にタンデムキャリーはしないようにしましょう。

肩や腰への負担

最も注意すべき点です。正しい装着方法を守らないと、肩や腰に想像以上の負担がかかり、痛めてしまう可能性があります。抱っこ紐の選び方や装着方法が間違っていると、体の特定の部分に負荷が集中し、慢性的な痛みにつながることもあります。

だからこそ、自己流で判断せず、ベビーウェアリングコンサルタントなどの専門家から、直接指導を受けることが大切です。少しでも不安がある場合は、どうか専門家を頼ってください。

抱っこと抱っこ紐の専門家、ベビーウェアリングコンサルタントはどうして必要なのか。コンサルタントは何を学び、どんな事が出来るのかについて。
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周囲の理解

タンデムキャリーは、まだ一般的に広く認知されている方法ではありません。そのため、周囲の人から驚かれたり、心配されたりすることもあると思います。安全に配慮していることを丁寧に説明することも大切ですが、もし理解が得られない場合は、無理に行う必要はありません。

これらのデメリットや注意点をしっかりと理解した上で、ご自身の体力や状況、そして何よりも安全を最優先、タンデムキャリーを検討してください。そして、もし少しでも不安なことや疑問点があれば、遠慮なくベビーウェアリングコンサルタントにご相談ください。

繰り返しになりますが、安全第一です。

抱っことおんぶに関するお悩みや疑問に、マンツーマンでお応えします。タンデムキャリーも対応しています。 お手持ちの抱っこ紐の調整や使い方の講習、初めての抱っこ紐購入、抱っこ紐の買い替えのご相談も可能です。
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